2007年02月13日

『あちっ!』

せっかくこの前松脂にサラダ油を加えてチャンと呼ばれる物を作ったので、
今回出し縫い(底の縫いつけ)に使ってみることにしました。

実は作り方もですが、糸への塗り方も分かっていなかったので、
『松脂を糸に染み込ませるって、いったいどうしたらいいんだ?』
と思っていた所に、有難くもまたまたRENさんから使用法を解説したメールを
いただきました。


上がチャンを擦りつけただけの状態。
これをチャン革(チャンを包んでいる革)のチャンが付いていない所で摘んで
擦り、摩擦熱で松脂を溶かして染み込ませるそうな・・・
下がそうしてチャンを染み込ませた状態。

糸はかなりバリバリの状態になりますが、
糸の補強という意味ではかなりの効果が期待できそう・・・
ちなみに、松脂を糸に塗ったわけですからかなりベトベトしているので、
縫う時にはこれにメンュチュウロー(=コバワックス=アイン蝋)を引いてから縫います。

松脂が溶けたかどうかは松脂の匂いがしてくるからわかるという事でしたが、
匂いがしてきた途端あちっ!!
摩擦熱ってのは凄いもんですねぇ~、熱いのなんのって・・・(汗)

ここででちょっと思ったのですが、
今まで私はビーズワックスを多めに糸に引いて、
ドライヤーであぶって糸に染み込ませてたりしたのですが、
そんな事しなくても革で挟んで擦ればいいんじゃない?

って事で、やってみました。


最初チャン革に色付きのオイルレザーを使ってしまい、
『最初の写真の糸の色は革の色なんだろうなぁ』という気がしたので、
確認のためヌメでチャンを擦ったのが一番上
以下、蜜蝋をオイルレザーで擦った物、蜜蝋をヌメで擦った物、
蜜蝋をドライヤーであぶった物。


蜜蝋も同じ方法でいけるな・・・
むしろドライヤーであぶった物よりもケバ立ちが少ないし
均一に蝋が回ってる気がする・・・
でも、オイルレザーを使った物の方が若干糸のまとまりが良いように見えるのは
気のせいだろうか?・・・



ところで、話は変りますが、
ガラス片は糸の漉きにも良いみたいですよ~



そんなこんなで出し縫い完了!
実は最近『もしかしていちばん難しいのはコバ決めなんじゃないか』
という気がしています。
出し縫いしてから切るというムチャな工程な上に、なぁ~んかしっくり来ないんだよな~
この幅のまま踵まで同じ幅にしたらどうも出っ張り過ぎてるように感じたので
踵は1mmほど狭くしました。



んなわけで、今回もクレープソールを付けて完成。
もう2~3cm浅くても良かったかな?と思ったり



作り直してもやっぱりココがツレちゃってたりしますが、
まぁ、次回への課題ということで・・・


明日試し履きして問題がなければプリント・スエードで
本チャンに取り掛かります。

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comments

凄い!!今度はブーツを作っていたのですね!!
私も靴はいずれ作ってみたい一品なのですが、ダイさんがここまで苦労してるとなると、相当難しいのでしょうね・・・・・
左右同じ感じで作ってるはずなのに、多少の力加減などで、ハリの感じが変わってしまうのですね。
繊細な生き物や!!靴製作恐るべし><

  • べっち
  • 2007年02月14日 11:16

着々とスキルアップしてますね~。
甲のシワは、力加減とか、革によっても伸びとか違いそうだし、難しそう。
それにしても凄いです~。

  • takasaki
  • 2007年02月14日 13:12

べっちさん>
型紙起こしは別にして、
アッパーを作る所までは普通のレザークラフトとそんなに変わらないのですが、
底を付け始めると今まで経験したことの無い工程が多いのでなかなか・・・
ハンドソーン・ウェルトとかだとどんな事になってしまうやら・・・
でもいちばん難しいのはフィットさせる事なんじゃないかなぁ~

takasakiさん>
最初よりはかなりマシになってきましたが、まだまだです。
とりあえず数をこなさないことには・・・

自己分析では、甲のシワは裏地を前方向に強く引き過ぎた上に
先芯を入れたり表の革を引っ張ったりしたのでつじつまが合わなくなったんじゃないかと・・・
いずれにしても中に木型が入った状態で見る事ができないので、
裏地を引っ張る時には気をつけないといけないのかも知れません。

  • だい
  • 2007年02月14日 13:40

確かにコバ決めは難しいかもしれないですねぇ。
靴の外郭線に相当するので、そのライン如何で靴の印象も随分変ってきますので。
爪先から始って、踏付部で少し幅広に、そのまま踏まず部で絞って、踵はヒールの形状に関係するので、少し膨らませて丸いライン。なんてラインにすると、メリハリの効いたプロポーションになると思います。
特にドレスシューズではほぼ必須ですが、カジュアルシューズでも大人っぽい靴になると思いますよ。

で、やっぱり「あちっ!」かったですか?
(^^ゞ

  • REN
  • 2007年02月14日 22:38

麻糸+蜜ロウで革に挟んでこすってみましたが、糸が平らにのされてしまいました。
撚りも戻ってしまいます。
なんか、コツがありそうですね

RENさん>
いやぁ~コバ決め難しいです。
見た目にモロ影響しちゃいますからねぇ~
ステッチ・ダウンの場合、縫い目がアッパーの立ち上がりのキワなので、
もう少し落としちゃった方がいいのかなぁ~なんて事も思いつつ、
でも、一度こっぴどく失敗してるのもあって、思い切って攻めきれないです(汗)

チャン革、1.3mmを使ったのですが、まさかあんなに熱くなるとは・・・(汗)

たつやさん>
私は片方を足で踏みつけてピンと張った状態で擦りました。
もしかすると、挟む革が厚くて硬いとそんな事になるかも知れません。
上から3番目の糸は1.5mmのタンローで擦ったのですが、
ちょっとそんな傾向が見られますよね?

  • だい
  • 2007年02月15日 03:24

ちょっと皺が出ちゃったみたいですが
ブーツもいいですね~
本番もガンバってくださいね

ほお~なるほど、革で擦って蝋を染みこませると・・
コレは試してみなくては!

しかし、蝋の染みこませ方然りガラス片然り
靴製作でのテクニックって
普通のレザークラフトでも使えそうなのが多いのに
なんで広まってないんでしょうねぇ
僕が知らないだけなのかな

  • ネンジ
  • 2007年02月15日 12:20

ネンジさん>
今回木型のかかとに少し盛ったのですが、過去最高の履き心地になりました♪
チャンの塗り方は本にも載っていなかったくらいなので
習った人しか知らないでしょうね~
レザークラフターで靴の本買う人も少ないだろうし・・・

  • だい
  • 2007年02月15日 18:58
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