2006年05月06日

『うら・ウラ・裏・URA』


なんだかんだでかれこれ10本くらいになってしまった革包丁ですが、
その中でいちばん高価で切れ味が良いのがこの包丁でした。

でした・・・そう過去形です。
実は最近切れ味が落ちてきてしまっていたのです。

で、いくつかの木工サイトで鉋の記事を読んでいたら
どうやらその原因は・・・


この包丁の裏は真ん中が凹んだ形状(『裏すき』というらしい)をしています。
もう1本だけ裏すきしてある包丁がありますが、どちらの包丁も良く切れるので
私は『魅惑のU字ライン』と呼んでいるのですが、
そのU字ラインが途切れて(↑の辺り)裏切れと呼ばれる状態になってしまって
刃の基準面が無くなっていたためのようです。

で、こうなってしまった刃をどうすればいいのか調べていたら、
裏出しという作業が必要なようでした。
要は刃表側から刃先を金槌で叩いて凹み部分を押し出すらしいです。
で、困った事に読んだどこのサイトにも『刃が割れる事があるから気をつける事』
という注釈が・・・(汗)
怖いなぁ~でもやらなきゃ切れるようにはならないし・・・
ってことで、オシャカにする覚悟でやってみました。

そして裏押し

ちょっといびつになってしまった・・・(汗)
でも一応切れ味は戻って来たっぽいです。

あ~あ、GW唯一の休みの日が包丁研ぎになってしまった(笑)

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comments

こ…この刻印は…
やっぱり切れ味良いのですか。

U字が途切れたりするんですねぇ。
金槌で叩いて直すなんて、私には怖くて出来ません。

欲しい包丁だと思っていたのですが、
もう少し安値のを使って
砥ぎが上手くなってからにします。

  • INU
  • 2006年05月06日 20:04

INUさん>
そうです、あの包丁です。
この包丁だけは買ったそのままで素晴らしい切れ味でした。
裏すきされているので裏押しも凄く楽です。
ただこんな事が待ってるとは、当時は知る由も無く・・・
(汗)

いやぁ~、かなりおっかなびっくりでやってみたのですが、
こんな感じでいいのかなぁ?

  • だい
  • 2006年05月06日 21:13

新宿のハンズでダイヤモンド砥石をゲットしたので裏押ししてみました(金剛砂と金板を買うつもりだったんですが安いやつがあったもので)。

…と思ったら次々と新しいネタが出てきてますね~
裏押しの事といいいつも本には無いことを教えていただきホント感謝の一言です。
こりゃあ当分包丁研ぎにハマるしかなさそうですな。

裏押し効果で切れ味はかなり改善されましたがよく見ると面が若干凸面気味なのが気になります。
まだまだ修行が足りないようです。

  • マツ
  • 2006年05月06日 23:47

マツさん>
私の知る限りのレザークラフト関係で裏押しについて触れているのは、
本では手縫いの真髄、サイトでは辻永さんのところしか
ないのですが、
木工のサイトを見ると当たり前のように裏押しについて書かれているんですよね~
そんな訳で、革包丁に近い刃物はカンナかノミかな?ということで
時々木工関係のサイトを覗きに行くのですが、刃物の仕立ては本当に奥が深そうです。

マツさんもどっぷり研ぎにハマってみてください。
私も答えを知らず手探り状態なので、鵜呑みにしないように、そしてくれぐれも自己責任で・・・

  • だい
  • 2006年05月07日 00:55

裏すきしてある包丁を使ったことがありません(汗)
というか、裏すき部分を研ぎ下ろしてしまったのかも…(笑)

料理用の包丁研ぎの本では、裏漉き部分を少しずつ裏押しして、面を平らにしながら使っていくようなことを書いてありました。
革包丁も同じでよいのかと…

ハンマーとは、割りそうで怖いなぁ~。。。

SATOSHIさん>
気にして見ているのですが、裏すきしてある革包丁はほとんど見かけませんね。
たまたま最初に買った手持ちの最安値の包丁と、最高値の包丁に裏すきがしてあります(笑)
その安い方の包丁は裏押しし直したら刃が付いてくれたのですが、
この包丁は裏押しし直しても2枚目の写真の状態だったので、
今回荒療治に踏み切りました。
怖かった・・・(汗)

  • だい
  • 2006年05月07日 03:01

お久しぶりです。
革包丁は薄いので、裏出しは相当に危険です。かなりやりにくいはずです。(厚いカンナの刃を私も割ったことがあります。)

この包丁を依頼した時に私が注文した時の条件のひとつは、裏切れしても叩くような裏出しはしないで、研ぎだけで新しい裏を出していくような使い方をすると言うことです。平らな砥石か金盤で、刃先2センチくらいを研ぐつもりで研磨して頂ければ、新たに裏がつくはずですので、次回お試しください。刃先と反対側に力がかかるとヒョウタン裏になります。また刃の薄い刃物では力を入れると刃が湾曲して砥石に当たり変形した刃先になりますので、多少の注意が必要になります。

革包丁はカンナの刃とは違いますので、極端な話しベタ裏でも問題ない刃物だと思うのですが、刃先の平面性はやはりベタになると出しにくくなるのではないかと思われます。

この包丁は厚みに作ってもらったので、裏出しにも耐えたと思いますが、薄い刃の製品は無理だと思いますし、研いでいるうちにけっこう変形してしまいますね。

最近、ネット時間が減っていて、久々にお邪魔したのですが、ちょうどこの記事を見つけました。製作時に具体的に話しをしていた部分でしたので、数日遅れになりましたが、書き込みさせて頂きました。長くなってしまい、すいません。

  • TUZIE
  • 2006年05月12日 00:20

記事を読み直したら、通常の裏押しも試されていたのですね。
失礼しました。
私の使っている刃は全て裏出し無しで裏押しだけで使っているのですが、だんだん糸裏では無くなってきます。でも、革包丁だからカンナのような糸裏である必要は無いのではないかと思っています。
私はダイヤモンド砥石でがりがりと削って基準面を出してしまうので、1丁だけですとあまり時間はかかりません。

古い革工芸の本で、裏出しの記述のある本が1冊ありますが、刃の裏から金槌で叩くというものだったと思います。やったことはありません。薄刃対策という記述があったように記憶しています。

  • TUZIE
  • 2006年05月12日 00:28

TUZIEさん>
お久しぶりです、書き込みありがとうございます。
以前、初めて裏切れした時は研いだだけで簡単に裏が出てくれたので、
今回も同じでいいのかな?と思いやってみたのですが、刃裏の両端だけが削れて行くようなので裏出しをしてみました。
もしかすると私の研ぎの根気が足りなかったためかも知れませんね。
次回は根気良く研いでみます。

  • だい
  • 2006年05月12日 09:49

昨晩、あちこちに書き込んで失礼致しました。
自分の名前を見つけてあせってしまいました。ハハハ。
手入れも使い方も、やりやすくて結果が良ければいいわけで、しかもすでにいろいろ試されているのに、余計なことを書いてしまったと反省しております。

作品もどんどん進化していて、すごいですね。

工具関係のところにだけ書き込んで、すいません。

  • TUZIE
  • 2006年05月12日 22:05

TUZIEさん>
全てにおいて暗中模索なわけですが、
特に工具に関してはなかなか情報を得られないのでとても助かります。
あの革包丁も【研いでいけば裏が出る】という設計意図で作られていた事を
知ることが出来て良かったです。
ありがとうございました。

  • だい
  • 2006年05月13日 03:33
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